Quantum

量子計測

オックスフォード・インストゥルメンツでは、さまざまな低温計測ソリューションを提供し、それらの複雑な計測を実現させています。これは、安定した低温環境ソリューションにとどまらず、低温工学、超伝導磁石、複雑な量子測定における当社の長い歴史の中で培われた技術的専門知識を通じて、様々な電子光学および磁場測定を可能にするものです。

量子情報処理 (QIP)、量子コンピュータ (QC)、量子センシングなど、新たな量子技術アプリケーションに向けた新しい材料やデバイスの特性評価には、量子計測が広く利用されています。このようなデバイスは、半世紀以上前の半導体やトランジスタと同様に、高性能なコンピューティングやセンシングの分野で将来の技術に革命をもたらす可能性を秘めています。

量子効果は通常、極めて小さなスケールにおいてのみ存在し、個々の原子間の相互作用に影響を与えますが、物理学者は現在、より大きなスケールでこの効果を実現することを目指し、メソスケールデバイスの実現に取り組んでいます。これらのデバイスでは、熱ノイズを低減し、隠れた量子状態を明らかにするために、絶対零度に近い極低温が要求されます。量子計測そのものは、これらのデバイスの特性を明らかにするために用いられ、分光学から電気的特性まで、幅広い技術をカバーしています。

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Proteox5mK - 量子輸送測定のための新技術。研究を次のステージへ

量子輸送向け量子計測ソリューション

二次元電子ガス (2DEG) やトポロジカル絶縁体における量子ホール効果 (QHE) 分数、分数量子ホール効果 (FQHE) などの量子輸送測定により、さまざまな他の複雑な測定も用い、研究者は業界標準となる高い精度の材料特性の知見を得ることができます。

オックスフォード・インストゥルメンツの Teslatron および Proteox システムにより、低温、高磁場、低ノイズ環境が実現し、これらの測定に必要となるキーポイントをクリアすることができます。

オックスフォード・インストゥルメンツ TeslatronPT

オックスフォード・インストゥルメンツ ProteoxMX 

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量子ホール効果向け量子計測ソリューション

量子ホール効果 (QHE) は、ホール効果の量子力学的バージョンで、低温と強磁場下に置かれた二次元電子系で観測されます。ホール抵抗は通常、磁場に対して直線的に増加しますが、低温・高磁場の二次元材料では、ホール効果が量子化されることが知られています。物理学者は、抵抗率、コンダクタンス、ホール効果などの標準的な電気伝導測定法を用いて、材料の電子的特性や構造に関する情報を得るために長い間利用してきました。QHEで測定される抵抗は、整数倍の量子状態によって得られる優れた精度により、現在では測定の標準となっています。

量子化されたホール状態を測定する分解能は、材料の電子温度に依存し、電子温度が低いほど分解能は高くなります。サンプルの電子温度を下げるためには極低温環境が必要となり、この効果を観測するための強磁場の発生には超伝導マグネットが必要となっています。

Nanonis Tramea を当社の Teslatron Proteox システムと統合することにより、測定に特化したソリューションが実現します。

マルチチャンネル同時測定

Nanonis Tramea は、異なる数種類の測定器の機能を、高性能でコンパクト、そしてソフトウェア制御された一つのパッケージに統合された、最先端の測定ソリューションです。このシステムは、当社の MercuryiTC 温度制御および MercuryiPS マグネット電源エレクトロニクスとシームレスに連動しているため、マグネット、クライオスタット温度、実験ルーチンのすべてを一元的に制御することができます。

Nanonis Tramea により、以下の専用の機器の機能が利用可能になります

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分数量子ホール効果向け量子計測ソリューション

分数量子ホール効果 (FQHE) は、分数値で正確に量子化された状態を測定することで、量子ホール効果を拡張するもので、トポロジカルな構造体や低次元材料内での準粒子形成と関連付けることができます。

これらの測定技術は、マヨラナフェルミオンやフィボナッチ粒子などの興味深い準粒子の発見につながるものであり、次世代の量子コンピュータの開発に貢献する可能性を秘めています。これらのトポロジカル量子ビットは、量子情報を非局所的に保管し、環境ノイズの影響を軽減し、将来の量子デバイスのコヒーレンス時間の大幅な増加を可能にするものです。

分数量子状態を利用するためには、極低温・高磁場という極限状態が必要になります。このような高感度な測定に必要な極低温を得るためには、高磁場領域での金属材料の振動による渦電流加熱を最小限に抑えることが必要になります。 

オックスフォード・インストゥルメンツの希釈冷凍機 Proteox により、これらのセンシティブな現象を利用するために必要な mK という極低温と高磁場が提供されます。このプラットフォームはコンセプトから低振動に設計されており、標準システムフレームの振動振幅が 1 μm 以下であるため、アクティブダンピングソリューションの必要性はありません。

分数量子ホール効果測定向け超高感度化追加オプション

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このウェビナーでは、オックスフォード・インストゥルメンツの新しい希釈冷凍機Proteoxの概要を説明し、多くの量子コンピュータや量子ビットのスケールアップ用途に適した主要な機能と適性に焦点を当てます。Proteoxシステムは、極低温研究者にとって不可欠なツールであり、高度な研究性能を発揮することができます。また、Proteoxは無冷媒システムのモジュール性を一変させ、適応性、信頼性を高め、実験能力を向上させるように設計されています。

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強いスピン軌道相互作用を持つ表面近傍量子井戸は、超伝導膜とエピタキシャルに接合できるため、メゾスコピックおよびトポロジカル超伝導を研究するための強固なプラットフォームとして、大きな関心を集めています。Shabani博士は、オックスフォード・インストゥルメンツの12 テスラ TeslatronPTトップローダー超伝導マグネットシステムを用いて、これらの二次元ガス系における量子井戸の輸送特性、量子ホール効果、Shubnikov de Haas質量測定、スピン軌道相互作用について研究を行っています。

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