5 Jan
アンドールから新しい ZL41 Cell とSona sCMOS カメラを発表
100 nm までの超解像を簡単かつ低コストで実現
オックスフォード・インストゥルメンツの子会社で、科学的画像処理ソリューションの世界的リーダーであるアンドール・テクノロジー社は、ライフサイエンス研究者向けに特別に設計された2つの新しい科学用CMOS カメラの発売を開始したことを発表しました。
これらの新製品は、アンドールのカメラと顕微鏡システムの幅広い製品ラインアップをさらに強化し、また、市場をリードする画像解析ソフトウェア Imarisとともに提供されています。
New ZL41 Cell sCMOS: 性能と柔軟性
ZL41 Cell は、高い評価を得ている Zyla sCMOS シリーズの次世代機です。ZL41 Cell は、独自の SRRF-Stream+ 技術により、通常の蛍光顕微鏡を超解像顕微鏡に変身させることが可能です。ZL41 Cell は、優れた感度、速度、解像度に加え、優れた柔軟性を備えており、イメージングシステムのアップグレードや、ライブセルイメージング、1 分子局在顕微鏡などの特定のアプリケーションニーズをお持ちの方に理想的です。
アンドールの顕微鏡カメラ担当プロダクトマネージャーの Alan Mullan 博士は、次のようにコメントしています。
「ZL41 Cell と SRRF-Stream+ の組み合わせは、これまでよりもはるかに幅広い研究者に超解像機能を可能にし、しかも低価格で提供するものです。既存のラベリングプロトコルと通常の蛍光顕微鏡を使用して、非常に詳細で鮮やかな画像をリアルタイムで得ることができます。したがって、これまでこの技術は難しい、あるいはコストがかかると考えていた研究者にとっても、100 nm までの超解像が身近なものになります」
Sona 背面照射型sCMOS:更なる高速化、高感度化を実現
Sona-6 背面照射型 sCMOS は、ライブセル共焦点や単一分子研究など、最も困難で光に制約のあるイメージング・アプリケーションにおいても、検出の限界をさらに押し上げるために強化されています。ノイズフロアは ≤1.0e- に低減され、95 % の量子効率と最低の暗電流と組み合わせることで、最も弱い信号の検出を可能にします。これにより、細胞の生理機能を維持したまま露光時間と光毒性を低減し、デリケートな細胞を長時間にわたって迅速かつ穏やかにイメージングすることができます。
カルシウムやイオンのイメージング、FRET、血流研究などの高速イメージング・アプリケーションに対応するため、新たに High-Speed モードを実装しました。2 レーンの CoaXPress 接続を利用することで、135 fps の安定した高速動作が可能になりました。さらに、画質の最適化により、より鮮明で高精細な画像を実現しました。
Alan Mullan 博士は次のように述べています。
「一般的に、センサーを高速で動作させると、ノイズフロアが大幅に増加し、ダイナミックレンジと定量的な測定能力が低下します。このため、ごく限られたケースを除いては、高速性能の恩恵を受けることが難しくなります。Sona-6 では、高速化を図りながらも、高 SN 比、適切なダイナミックレンジ、定量的精度を維持し、高速性とともに正確さが求められるアプリケーションに対応できるようにしました。その結果、アップデートされた Sona-6 は、高い時間分解能を必要とする幅広いアプリケーションに適しています」
アンドールの物理学者であり、Sona 開発プロジェクトのオプティカルリーダーである Leonidas Asimakoulas 博士は、次のように付け加えました。
「Sona は、ライフサイエンス分野の多くの研究者にとって、貴重な研究ツールであることが証明されています。新しい機能を取り入れ、GS2020BSI センサーの性能を最大限に引き出すことで、研究者は低ノイズフロアの利点を最大限に活用し、以前よりも高速で画像を取得できるようになり、研究課題の解決に役立つことでしょう」
最新のSona-6 のアップデートにより、すでに素晴らしい性能と柔軟性を持つイメージングカメラであることに加え、多くの研究者がライフサイエンスの多くの研究分野での理解をさらに深めるのに役立つと確信しています。
画像キャプション:アンドールの ZL41 セルと SRRF-Stream+ の超解像技術により、細胞の細胞骨格を高解像度で鮮やかに再現しています。アクチン(赤)、ミトコンドリア(黄)、核(シアン)。画像提供:生理学研究所 堤元輔 博士