14 July 2017
2D材料用のALDプラズマ処理システムFlexAL-2D
オックスフォード・インストゥルメンツのALD&2D技術専門チームは、アイントホーフェン工科大学の研究チームと連携し、ナノデバイス用途に向けて、2D遷移金属ジカルコゲナイドの原子層堆積(ALD)のための革新的なFlexAL-2Dを開発しました。.
FlexAL-2D ALDシステムには、2D材料の成膜に対して多くのメリットがあります:
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2D材料の成膜
- CMOSに適合する温度において
- 高精度のデジタル膜厚制御により
- 大面積で可能
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2D材料に対する堅牢なALDプロセス
- 自己制限的なALD成膜
- MoS2:
- 無酸素および無炭素(<2%)
- 1サイクルあたりの高い成膜速度:0.1nm/cycle
- 300°C以上で結晶性の材料
- 高い形態制御性:基底面とエッジ面の方位制御
- 先端2Dデバイス構造の創成
- 単一ツールによって、2D材料の上にALD誘電体および他のALD層の成膜が可能
- 膜特性制御に向けた、RF基板バイアスのオプション
FlexAL-2D ALDシステムは許容パラメータ範囲が広いので、2D遷移金属ジカルコゲナイドの成膜を、CVD装置で採用されているよりも低温で行うことができます。450°Cまたはそれより低温におけるALDによる2D MoS2材料の成膜に関する最初の報告が、2017年7月16日のデンバーにおけるALDコンファランスで、アイントホーフェンの研究者により発表されます。プラズマ励起ALDを活用することによって、CMOSに適合するSiO2/Si基板上に、平面内および垂直方向に構築されたナノスケールの構造を持つ、形態制御された2D MoS2薄膜層が合成されました。平面内の2D形態は、ナノエレクトロニクスに有望な応用があり、一方、3Dフィン構造は、水の分解のような触媒反応用途に理想的です。
オックスフォード・インストゥルメンツ・プラズマテクノロジーのALD製品マネジャーのChris Hodsonは、この研究成果に喜んでおり、「アイントホーフェン工科大学のBol博士とプラズマ&材料加工研究チーム(PMP)は、ALD研究の限界を新しい応用領域へと押し広げています。2D材料は注目されている分野であり、低温での成膜を可能にするALDを使い、ALDデポジションや他の処理方法を活用して、200mmウェハ-の2D材料を可能にすることは、多くの可能性を持った革新的な能力を実現します。」と語っています。
Ageeth Bol博士は、「我々のニーズに合わせて構成された、オックスフォード・インストゥルメンツの新しいALD FlexAL配置によって得られた成果に感動しています。」と語っています。研究チームは、特に、相対的に低い温度に興味を持っていると、Bol博士は説明しています。「CVDプロセスでは、通常、800°C以上の温度が必要です。これは、半導体用途では、しばしば致命的です。何故なら、高温では原子の拡散が促進されて、正しい場所に堆積させるのが難しくなるからです。低温で高品質の材料を生成するプロセスが欲しいのです。低温では、層間の原子拡散が抑制されるので、現在手掛けている2次元ヘテロジーニアス層では、特に重要であります。」