30 September 2022

GaN HEMTデバイス性能:

オックスフォード・インストゥルメンツとITRIがGaN HEMTデバイス性能の革新的開発を発表

Oxford Instrumentsは、研究パートナーであるIndustrial Technology Research Institute (以下、ITRI)と共同で、急成長する電気自動車、データセンター、5G市場に大きな変革をもたらす新たな技術開発を発表いたしました。本技術開発はトランジスタ部品をより高電圧で動作させ、性能と信頼性を向上させます。更に、既存デバイスと比較して、安全かつエネルギー高効率(通常はオフの”E-mode”)を実現します。新たなGaN(窒素ガリウム)HEMTデバイスの構造は、AlGaN層への凹型絶縁ゲート接合によって定義され、当該デバイスはGaN MISHEMTと称されます。

2021年9月、Oxford Instruments Plasma TechnologyとITRIは、次世代化合物半導体の共同研究プログラムを発表していました。今回の成果は、パートナーと地域、そして世界市場に利益をもたらす技術を進歩させる、という目標を実現に導いた我々のコラボレーションの一例です。本発表に伴い、Oxford Instrumentsは、GaN MISHEMTのリセスゲートの深さを制御するLayTec社のエンドポイント検出技術の独占供給契約も発表しました。リセスの深さ、精度、そして再現性はデバイス特性を調整する上で非常に重要であり、本用途に特化して設計されたLayTec社の当該技術は、±0.5nmの目標値を達成しています。

ITRIはパイロット生産、プロセス検証、製品開発に係るサービスも提供しています。本共同プロジェクトでは、GaN MISHEMT性能の高さを迅速に証明した為、デバイスの市場投入も低リスクかつ早急に実現しました。これらを通じて、ITRIの統合サービスが大変有益であることも証明されました。

Oxford Instrumentsのストラテジック・ビジネス・ディベロップメント・ディレクターであるKlaas Wisniewski氏は次のように述べています。「Enkris、ITRI、ROHMを代表とした素晴らしい戦略的パートナーと顧客とともに、本GaNソリューションは巨大な市場機会を提供、成長、そして獲得する上で重要な役割を担っています。また、当社の最先端原子層エッチング技術(ALE)と原子層蒸着技術(ALD)は、材料工学の性能を向上させ、よりシビアな表面品質と欠陥低減を達成し、一層高まる高性能デバイスの需要に応えることができます。我々の技術パートナーたるITRI、GaNの量産化を目指す顧客、そして高価値な独自のプロセスソリューションへの重点的投資を背景に、GaNデバイス市場は我々のビジネスと技術ロードマップの重要な推進力になることを期待しています。」

Klaas Wisniewskiは、SEMICON Taiwan (2022年9月14日~16日)で、「Enhancing GaN HEMT Performance for Power Electronics Applications with Atomic Scale Processing Production Solutions」と題した講演を行いました。最新のデータや詳細にご関心がございましたら、ご一報ください。


本プレスリリースは、イギリス時間9月22日に発表した『GaN HEMT device performance: Oxford Instruments and ITRI announce breakthrough development in GaN HEMT device performance』の抄訳です。