19 Feb
オックスフォード・インストゥルメンツ、Lee Osheroff Richardson 科学賞 2024 受賞者を発表
2024年2月15日発表
オックスフォード・インストゥルメンツは本日、プリンストン大学の実験物理学者でDickeフェローのTiancheng Song博士がLee Osheroff Richardson 科学賞 2024 を受賞したことを発表しました。
Song 博士は、ファンデルワールスヘテロ構造における2次元超伝導と磁性に関する研究のため、低温・磁場下での様々な測定技術を開発・導入した功績が認められました。Song 博士の研究により、2次元超伝導および磁性系における一連の量子現象が明らかにされました。
Lee Osheroff Richardson科学賞は、北南米の低温・強磁場・表面科学の分野で活躍する若手科学者の優れた研究を奨励・表彰しています。
「今年、名誉あるLee Osheroff Richardson科学賞を受賞することができ、大変感激しています! 有名な実験や業績でこの賞を受賞した著名な科学者の仲間入りをすることになり、この上ない栄誉だと感じています」とSong 博士はコメントしています。
現在、Tiancheng Song博士は、プリンストン大学物理科にてDickeフェローを務めています。Sanfeng Wu教授との共同研究により、Song博士は最近、2次元超伝導、強相関相、それに関連する非従来型量子相転移を調べる新しい手法を開発しました。
プリンストン大学での研究において、Song博士は、渦Nernst効果に基づく単層WTe2の超伝導量子揺らぎの測定に成功しました。この結果は、従来のGinzburg-Landau理論を超える新しいタイプの量子臨界点の発見につながり、2次元超伝導と超伝導相転移に対する新しい高感度検出器を実証しました。
Song 博士の研究成果は、4,000回以上引用されるなど、研究コミュニティからも高く評価されています。Song 博士の独創的な功績は、その後に彼が受け取った教授陣からのオファーによって証明されており、彼は2024年5月にウィスコンシン大学マディソン校に准教授として着任する予定となっています。
賞の副賞として、Song博士には8,000ドルが授与されるほか、ミネアポリスで開催される3月に開催されるAPSへの出席支援も用意されます。
2024年度LOR科学賞選考委員会は、NHMFLおよびFSUの Laura Greene教授が委員長を務め、委員には次のメンバーが含まれます: トロント大学Hae-Young Kee教授、ジョンズ・ホプキンス大学Collin Broholm教授、アンデス大学Paula Giraldo-Gallo教授、プリンストン大学Xiaomeng Liu博士(2023年受賞者)。
LOR 科学賞について
オックスフォード・インストゥルメンツは、多くの科学者にとって、博士号を取得してから永続的な研究職に就くまでの間に、重要であり、しばしば厳しい段階があることをよく理解しています。オックスフォード・インストゥルメンツは、過去19年間、北米および南米を対象としたLOR科学賞のスポンサーを務めることで、革新的な研究を行う個人を支援し、研究活動を適切に促進したいと考えています。この賞は、1996年に「ヘリウム3の超流動性」の発見でノーベル物理学賞を共同受賞したDavid M. Lee教授、Douglas D. Osheroff教授、Robert C. Richardson教授にちなんで創設されました。
これまでのLOR科学賞受賞者には、Xiaomeng Liu博士、James Nakamura博士、Matthew Yankowitz博士、Sheng Ran博士、Paula Giraldo-Gallo博士、Kate Ross博士、Brad Ramshaw博士、Mohamad Hamidian博士、Cory Dean博士、Chiara Tarantini博士、Lu Li博士、Kenneth Burch博士、Jing Xia博士、Vivien Zapf博士、Eunseong Kim博士、Suchitra Sebastian博士、Jason Petta博士、Christian Lupien博士が名を連ねています。
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