5 Dec
Ultim® Max インフィニティの販売を開始
EDSをこれまでより速く、簡単に、正確で、信頼性高く
オックスフォードインストゥルメンツは世界最高性能EDS検出器の最新世代として、Ultim® Max インフィニティ の販売を開始しました(英国本社2024年11月12日発表)。Ultim Max インフィニティは、その独自の新たな性能と機能により現在世代のEDS検出器では対応に苦慮する複雑かつ困難な特性評価の問題を解決し、走査電子顕微鏡におけるEDS分析の無限の可能性を解放します。
インフィニティの大面積SDDは他の検出器に比較してより多くのX線信号を収集し、より微細なナノ構造の分析や、より広範囲のマイクロ構造をより早く計測することを可能にします。これはインフィニティが、最大170mm2の非常に大きなセンサーサイズまで選択可能なためです。
ナノ構造解析のためには、Mn K線の領域に比較して10倍以上の密度で各元素のX線ピークが存在する低エネルギー領域における、高い性能が必須となります。そこで、インフィニティは新開発のExtremeⅡ回路により、エネルギー分解能46eV (C K線、50,000cpsにて) を全てのセンサーサイズで保証するという、低エネルギー領域における最高の性能を達成しました。また高速・高精度でのマイクロ構造分析に対しても、インフィニティは200,000cpsという、これまでの常識を超えた条件において、Mn K線エネルギー分解能を保証します。
マイクロ構造、粒子、グレインに対するX線マッピングや相同定は、大面積検出器が生み出す数十万cpsの信号により、今では数秒で実行可能であり、ライブケミカルイメージングによる、組成情報のリアルタイム検出に対しても十分な力を発揮します。インフィニティは、新しいパルス処理技術を適用し、X線信号によるカウントレートを最大化し、パルスパイルアップなど高カウントレートの弊害であるアーティファクトの発生を最小限に抑えます。TruMapまたはQunatMapによる迅速かつ正確なアーティファクトの補正によるピークの重複やX線バックグラウンドの補正のみならず、マップサムスペクトルにおけるアーティファクトも除去可能となり、微量元素であっても比類なき速度で真の元素分布を明らかにします。
それぞれのインフィニティ検出器は新機能であるTru-Q® IQが適用され、最適な結果の出力と、それによる非常に複雑な分析課題の解決を可能にします。これはオックスフォード・インストゥルメンツ独自のTru-Qテクノロジーに基づいており、スペクトル処理、自動定性、マッピングや定量分析の全てに提供されます。
ビジネスマネージャーであるSimon Burgessは、次のように説明します。 「それぞれのインフィニティ検出器のスペクトル特性は、その製造時にSEMに装着して確認しています。そして、検出器は出力されるデータがその特性に正確に合致するよう個別の最適化を実施します。この技術により、個々の検出器間における出力結果を最小化し、より複雑なスペクトルとX線ピークの組み合わせでも、全ての検出器が解決することができます」
Ultim MaxインフィニティとあわせてUltim Extreme インフィニティも展開されます。前述のインフィニティによる機能強化に加えて、このユニークなウインドウレス検出器は、ナノ構造解析や軽元素検出において、最高の性能を実現します。1-3kV程度の非常に低い加速電圧と、短い焦点距離での分析は、SEMにおける微細な構造の分析には必須となります。Ultim Extremeインフィニティは、ナノマテリアルや最表面分析における、SEMの最高分解能条件下においても、EDS分析を可能にします。
インフィニティは、最大のセンサーサイズ、低エネルギー領域と高エネルギー領域の双方における検出器性能保証、幅広い条件に対する正確かつ迅速なアーティファクト補正の全てを兼ね備え、このすべては、それぞれの検出器を最適化するTru-Q IQ技術により実行されています。このようにしてインフィニティは、走査電子顕微鏡における材料、構造、粒子、相特性を評価するためのEDS分析の無限の可能性を解放します。より速く、簡単に、正確で、信頼性高く…